イマイチ買う気になれなかった初代
一眼カメラが衰退していって、ミラーレスがもてはやされているわけですが、中判のミラーレスでは選択肢はふたつFUJIかHasselblad。
自分はHasselblad Hシステムがメインの機材なので、自然とHasselblad X1Dに興味がわくんですが、去年ひっそりマークIIへ進化。
初代を触ったときの印象は
- 電子ファインダーが見にくい
- 何もかも遅い
いいカメラなのはわかっているんですけど、ちょっと実用レベルではない印象でした。
マークIIで大幅に改善されたスピード
初代のX1Dは、いくらなんでも、、、というレベルのモタモタ感でしたが、IIになって起動などの基本的な速度が改善されました。
それでも、市場にある日本製35フルミラーレスのこまわりの良さには到底およびません。
IIでもやっぱり遅いです。
オートフォーカスももたもたです。
モデル撮影などキャノンなどを使った、ハイテンポの撮影は絶対にできません。
この点は完全にユーザーを選んでしまうと思います。
自分はHシステムでモデル撮影をよくやりますが、Hも相対的にみればやっぱり遅いカメラなので、独特なテンポの撮影になります。
これを良しとするか、悪しとするかは目的次第になると思います。
電子ファインダーはやっぱり見にくいというか、これは電子ファインダーの宿命というか、一眼になれているカメラマンにとっては、なにをどうしても電子ファインダーである限り、しっくりこないと思います。
画像の仕上がりはやっぱりハッセルブラッド
Hasselbladの大きな特徴として、発色の良さがまず一番にあげられると思いますが、X1Dも例外ではありません。
解像度は5000万画素と2020年の今では、それほど珍しいものではなくなりましたが、肌の色はやはり忠実。
立体感、透明感はかなり忠実+アルファに再現されています。内部処理が16ビットであるというのが最も大きな理由だとは思いますが、メーカーさんの弁によると、カメラ内部でのピクセル処理は相当しつこくハッセルブラッド色になるように、調節されているようです。
もうひとつ、ハッセルの大きな特徴であるレンズシャッターという仕組み。
この機構のおかげでストロボ撮影でシャッタースピードを固定にする必要がありません。
シャッタースピードでアンビエントの明るさを調節できるので、被写体だけを浮かび上がらせたければ、シャッタースピードを上げるだけということになるので、これはもう簡単な話です。
重要なのはライトの位置と向きだけになるので、より撮影に集中できるようになります。
身の回りにあるアイテムとして
疑いなく、最高の出来の工業製品です。
ハッセルブラッドの哲学として、いつでもどこでも最高品質の写真が撮影できるカメラというのがあるらしいですが、それを聞くたびにだったらもっと速くうごくようにしてくれと思います。
しかしながら、いつでもどこでも持ち歩きたくなるカメラに仕上がっているのは間違いないです。
もった感触は絶品!これ以上のカメラを握ったことはありません。
レンズを外してみると、ボディの薄さに驚きますが、そのソリッド感は他のカメラにはないレベルです。
ボタン類のたてつけ、そして、そのボタンの少なさ!日本のハイエンドカメラは既存ユーザーを一番に気にして、テクノロジーより慣習を重んじてボタン類を配置していく傾向にあると思いますが、ハッセルはそんなの無視という感じで、まったくあたらしい体験を提案してきている感じです。
そのスッキリとした外見、身の回りにあるアイテムとしては最高なもののひとつになるのは間違いありません。
誰用のカメラなのか
スポーツ写真、家族写真、速く動く動物、次の動きが予想しにくい被写体は、まったくもって向いてません、ダメです。
止まっているもの、次の動きが予測できるもの、シャッターを切るまで十分な準備ができるもの、深呼吸するくらいの余裕のあるシチュエーション、どうしても肌色の再現力が必要なとき、深さを感じる写真を撮影したいとき、これはもうハッセルしかありません。
” 深さを感じる”という点は絶対に裏切られないと思います。
- Hasselblad X1D IIの関連リンク